新型コロナウイルスのオミクロン株流行に伴い、健康な子が感染して亡くなる例が後を絶たない。
死亡幼児らの半数に基礎疾患がないとの調査結果もあり、専門家は保護者らにワクチン接種に関する正しい情報を得た上での判断を求めている。
国立感染症研究所などによると、同株流行前の昨年末時点では、亡くなった20歳未満の感染者は累計3人だった。しかし、同株流行による感染者総数の増加に伴い、今年1~8月では41人に急増した。
このうち詳細に調査できた29人を分析すると、14人には中枢神経疾患や先天性心疾患などがあった一方、残る15人は基礎疾患がなかった。
15人の内訳は0歳4人、1~4歳2人、5歳以上9人で、医療機関到着時の症状は発熱や意識障がいなどが目立ち、6割超が発症後1週間未満で亡くなっていた。死亡に至る主な経緯は、多くの例で中枢神経系や循環器系の異常が疑われたが、呼吸器系異常はなかった。
厚生労働省によると10月下旬以降、20歳未満の新規感染者数は増加傾向が続いており、今月13日までの1週間では約25万7000人で、感染者全体の3割近くを占めた。同時流行が懸念されるインフルエンザは、同11日までの1週間で1238人報告され、昨年同時期の約35倍に上った。
聖マリアンナ医科大(川崎市)の勝田友博准教授(小児感染症)は、子どもを新型コロナから守る方法としてはワクチンが最有力と話す。「保護者は『何となく不安だから打たせない』のではなく、感染予防効果や副反応を正しく知った上で接種を受けさせるか判断してほしい」と訴える。
今冬はインフルエンザ流行も懸念され、勝田氏は「幼児らがかかると脳症の危険もあり、ワクチンをしっかり打つべきだ」と強調。「発熱などで体調が悪かったら幼稚園や学校を積極的に休ませる勇気を持ってほしい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf2b18a57f02cb845e41b42619414bebb4529d7f
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