2020年9月30日14時55分、アイドルとして活動していた月乃のあさんが愛知県名古屋市内のホテルから飛び降りて自殺を図り、18歳という若さで亡くなった。
小学生から地元の名古屋でアイドルとして活動していた月乃さんは2018年、玉城ティナや菅本裕子を輩出した講談社主催のオーディション「ミスiD」に出場。同年5月からは東京を中心に活動する「ヲルタナティヴ」というアイドルグループに在籍していた(現在は解散)。グループを卒業後は、飲食店などでのアルバイトを経て、2020年5月から亡くなる10日前まで名古屋市内にあるコンセプトカフェ(メイドカフェの一種)で働いていた。
月乃さんが亡くなって5カ月。その自殺の理由については、セクハラからSNSでの誹謗中傷まで様々な憶測を呼んでいるが、その真相については明らかになっていない。
今回、月乃さんの母親・Rさんが、これまで公開してこなかった月乃さんの遺書を世に出す決意をした。「ファン思いだったあの子のためにも、ひとりでも多くの人に真実が伝わってほしい」と公開を決めたという。Rさんの現在の思いを聞いた――。
◆◆◆
■亡くなる直前に母親に《言葉のナイフで殺される》
《18さい ママ弟おばあちゃんおじいちゃんファンのみんな友達大好きでしたさようならずっと死んでもAさんBさん諸々恨みます人は簡単に言葉のナイフで殺される》(※A、Bは実際には実名。月乃さんとの関係性については後述)
これが、のあが亡くなる40分前に娘から私宛に送られてきたメッセージです。このメッセージを送ってから娘は名古屋市内のホテルの屋上から飛び降りてしまった。祖母はのあが亡くなった現実を受け入れられず、精神的に立ち直れない状態で、今入院しています。小学生の、のあの弟は「誰が一番悪いの? 誰がお姉ちゃんを殺したの?」って……。家族みんな辛い思いをしています。
?
■小学校4年生のときに「私もアイドルになりたい」
のあは、小学校1、2年生くらいまではすごく内気で引っ込み思案な子だったんです。私が仕事ばっかりだった分、すごいおばあちゃん子でしたね。のあが小学3年生の時に、私が再婚したんですけど、そのことでのあはすごく悩んでしまいました。
そんな時に、隣町のご当地アイドルに出会ったんです。境遇とか共感できる部分が多かったみたいで、応援しているうちに段々と明るくなってきて、「私もアイドルになりたい」と言い出したんです。この子のやりたいことは認めてあげようと私は賛成しました。そして、小学5年生から名古屋のカフェで歌って踊るアイドルを始めました。当時は「ランドセルアイドル」っていうので話題になっていました。
■イジメで「学校に行きたくない」と言うように
小学校を卒業してからも芸能活動をしていきたいということだったので、芸能活動に寛容な私立中学を受験することにしたんですけど、私が再婚相手とすぐに別れてしまって母子家庭で金銭的な面もあって、特待生で入学できるならという条件でした。塾にも通ってとても頑張っていたのですが、一般で合格したものの特待生にはなれなかった。
結果的に、公立中学に行ったんですけど、それがよくなかったのかもしれません。同級生から「お前受験するって言ったのになんでここに来とるんだ」って言われてイジメられるようになってしまったんです。イジメは相当辛かったと思います。
人に見られる仕事ということもあって、メイクとかも頑張っていたんですけど、そのことで陰口を言われたこともあったそうです。中学1年生の頃はイジメにもなんとか耐えていたんですけど、どんどん激しくなってしまって、2、3年生の頃には教室に入れなくなってしまい、「学校に行きたくない」と言うようになりました。
結果的には、卒業後に当事者同士で和解したみたいで、その同級生たちはお葬式にも顔を出してくれました。
当時は本当に辛かったようで精神的にも病んでしまった。だけど、アイドル活動だけはしっかりと続けていたんです。
あの子が17歳だった時に、アイドルのライブで広島に遠征したことがあったんですけど、突然痙攣を起こして倒れてしまったことがあった。帰ってきてからちゃんと検査をしてみたら、“てんかんに伴う精神的な病気”だということが発覚しました。そこから安定剤などの薬を飲み始めたんです。
https://news.nifty.com/article/item/neta/12113-970868/
2021年02月19日 20時00分 文春オンライン
コメント一覧