北海道南部の八雲町で、トラックと都市間高速バスの衝突事故が発生したのは6月18日のこと。双方の運転手とバスの乗客合わせて5人が犠牲となった。フジテレビの情報番組「めざまし8」が6月20日の放送でこの事故を扱うも、解説者の態度に視聴者から驚きの声があがっている。
番組では、トラックがセンターラインからはみだし、対向するバスに衝突する瞬間の映像を公開。事故の原因はトラック側にあるとして、トラック運行会社の社長が報道陣の前で謝罪するシーンも紹介した。そこで流れたのが、交通事故鑑定人の肩書きを持つ澁澤敬造氏のインタビュー映像。澁澤氏は、「真正面同士でぶつかったら、ちょっと結果は変わっていたかも」と述べて、「車の前にはフレームといって、車体の硬い部分が2本走っている」と解説。「そこのところにうまく衝撃を吸収してやれば、キャビンの安全は守られる」と続けた。
リアルタイムで番組を見ていた視聴者からは《解説者なんで半笑いなんだ?》《笑っているように見えるけど…》と指摘が相次いでいたが、解説はさらに続く。事故現場となった道路について、「長く続いた直線の後のカーブっていうのは、やっぱり危ない地点なんですよ」と言った際、明らかに笑みを浮かべていたという。メディア誌ライターが振り返る。
「映像を何度もチェックしましたが、『危ない地点なんですよ』と言ったところで、歯を見せて顔をほころばせているのがわかります。番組はCMをはさんで、長い直線の後のカーブで起きた事故の映像を紹介。事故現場の映像にかぶせるように鑑定人のコメントが流れていましたが、その声も半笑いでしゃべっているように聞こえました。これにはネット上でも《不謹慎すぎて戦慄した》《なぜ笑える?》《犠牲者の家族がどんな気持ちになるか…》といった批判が殺到。見たところ、交通事故鑑定人の映像は生放送ではなく、事前に収録されたもの。もしも笑っているような印象を与えていたら、ディレクターの判断で撮り直しもできたはずなのですが、番組の報道姿勢は理解できません」
番組内で澁澤氏は「まっすぐ走っていることが長く続くと、緊張感がないというか。そのまま走っていきがちなんです」と述べていたが、5名の死者を出した重大事故だけに、解説員もまた緊張感をもってコメントするべきだろう。
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