動物虐待の疑いがあるとして神奈川県警が藤沢市内にある動物愛護団体のシェルターなどから押収した犬や猫計約110匹のうち、約80匹の行方が分からなくなっていることが4日、神奈川新聞社の取材で分かった。県警は約7割の個体について行方が分からなくなっていることを認め、「通常ではあり得ないことが起きていると承知している。所在を探している」としている。
県警などによると、動物の保護活動を行っている個人らから「犬をたたいている」などと告発を受け、藤沢北署が動物愛護法違反(虐待)の容疑で2021年9月、動物愛護団体「レスキュードアニマルネットワーク」(横浜市神奈川区)のシェルター(藤沢市石川)を家宅捜索して計107匹の犬や猫を押収した。22年3月には団体と代表の男性を同容疑で書類送検し、同11月には別の犬に対する同容疑で7匹を押収、男性を逮捕した。
押収物は刑事訴訟法(123条)で留置の必要がなくなれば事件が終結する前でも所有者に還付しなければならないと定められているが、同署の担当者は押収した計114匹について「現時点で居場所を把握できているのは31匹」と説明。114匹のうち3匹は押収後に死亡したといい、残りの約80匹については「管理、保護しているとされる人に確認しようとしているが、誰がどこに、どのようにしているか把握できていない」としている。
同署によると、最初に押収した107匹は告発した女性と関係のある動物愛護団体と「押収物の管理委託契約」を交わした上で預けたが、現在この団体は分裂してしまっており、警察と連絡がとれる範囲で所在が判明しているのは24匹にとどまる。後で押収した7匹については別の団体に預け、所在も確認済みとしている。
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