【北京時事】東京電力福島第1原発の処理水が海洋放出されてから24日で2カ月。中国では放出前後に国営メディアが「核汚染水」と連日報じ、9月には日本産魚介類の輸入がゼロに。
中国のスーパーでは日本産水産物は見当たらなくなった。一方、中国産も敬遠されたことで、対日批判は下火となった。
対日関係「健全発展の軌道へ」 台湾問題ではけん制―中国外相
「この問題でより大きな打撃を受けるのは中国だ」。中国で海産物の輸出入を手掛ける日系企業の幹部はこう強調した。
中国では魚介類の需要が縮小し、職を失った水産業関係者も出始めた。
北京市内の海鮮市場の店舗で働く中国人男性によると、日本産水産物はもともと取り扱っていないが、一時は店の売り上げが8割減ったという。
中国の措置が国内業者の首も絞めた格好だ。
処理水関連報道は、8月下旬をピークに急減した。
国営新華社通信の配信記事を「核汚染水」で検索すると、8月下旬は68件だったが、9月上旬は17件に減少。東電が2回目の放出を始めた10月上旬は5件だった。中国では塩の買いだめも起きた。
専門家は「政府が社会不安の高まりを懸念した可能性がある」と分析。
米国から批判され、国際的な支持が広がらなかったことが影響したとの見方もある。
ただ、報道の減少が輸入再開につながるかは不透明だ。中国の貿易統計によると、日本産魚介類の輸入は7月ごろから急減し、全面禁輸発動後の9月はゼロになった。
同月には香港から中国本土への魚介類輸入が前年同月の54倍に急増した。
北京の日系食品メーカー関係者は、日本産が香港を経由して本土に入っている可能性を指摘。
その上で、「中国政府にもメンツがあり、規制は当面続くだろう」と話した。
中国の批判報道、下火に 日本産魚介類輸入はゼロ―処理水放出2カ月
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023102300753
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