※阪急電鉄=宝塚歌劇団の親会社
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231117/k10014261631000.html
宝塚 団員死亡“調査事務所に関連企業役員”遺族側見解求める
宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡したことについて、経緯を調査した弁護士事務所に歌劇団を運営する阪急
電鉄に関連する企業の役員が所属しているとして、遺族側の弁護士が17日、歌劇団などに対し、事実関係を確認して
見解を示すよう求める文書を送ったことが分かりました。
宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員は入団7年目のことし9月、兵庫県宝塚市で死亡しているのが見つかり、
自殺とみられています。
遺族側は上級生のパワハラなどが原因だと主張していましたが、歌劇団は大阪の弁護士事務所に依頼して経緯などを
調査した結果、長時間の活動や上級生からの指導で強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとした一方、
いじめやハラスメントは確認できなかったなどとする報告書を11月14日に公表しました。
歌劇団は調査したのは外部の弁護士事務所だとしていますが、遺族側の弁護士によりますと、調査を行った事務所に
は歌劇団を運営する阪急電鉄に関連する企業の役員が所属しているということです。
このため、遺族側の弁護士は17日、「役員が調査委員会のメンバーであったか否かにかかわらず看過できない」とし
て、阪急電鉄や歌劇団に対し事実関係を確認して見解を遺族に示すよう求める文書を送りました。
取材に対し阪急電鉄は、この役員は阪急阪神百貨店の親会社で取締役監査等委員を務めている弁護士だとした上で、
「独立社外役員として独立した立場にある者で、弁護士事務所からも調査報告書の検討・作成にはこの弁護士は関与
しておらず、事務所内でも情報遮断措置をとっていると聞いています」とコメントしています。
専門家「疑われるもの払拭しなければ 疑われてもしかたがない」
企業の外部調査に詳しい大原大学院大学の八田進二教授は、「関連する企業の役員だったとしても、独立性が疑われ
るものは払拭(ふっしょく)しなければ歌劇団側に配慮した報告書になっていると疑われてもしかたがない。本来で
あれば役員自身がそのリスクについて声をあげるべきだった」と指摘しています。
その上で、「調査には、担当する弁護士の独立性や専門性などが求められるが、報告書には、どういう立場でどのよ
うな専門性があるのか書かれておらず、不透明感がある」と話しています。
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