アスリートの競技画像が性的な目的でインターネットで拡散される被害が相次いでいる。被害はチアリーダーにも及び、高校野球で夏の甲子園大会への出場が決まった大分県の明豊高校チア部も対策に取り組んでいる。【辻本知大】
「顔が真っ青になり夜も寝られなくなった部員を前にして、対策をするしかないと決意しました」。同部の顧問・笠松紗佐教諭は振り返った。
数年前のセンバツだった。兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、同校野球部の応援をしていたチア部員の背後から男性がスマートフォンのカメラをスカート内に差し入れた。学校関係者が気づき、警察に相談したが、犯人は捕まらなかった。
「チア 盗撮」でネット検索すると、無数の写真や動画がヒットする。選手よりも一般の観客から近いチア部員の盗撮被害は、以前から相次いでいた。「守っても守っても、守り切れない」と笠松教諭はため息をつく。
アスリートの盗撮、悪質なSNS投稿など、性的画像被害を巡り、2020年11月、日本オリンピック委員会(JOC)などは被害防止を訴える声明を発表した。著作権法違反や名誉毀損(きそん)容疑で逮捕者が続出し、6月22日には警視庁が全国で初めて未成年選手の画像拡散を立件した。
明豊でもこれ以上の被害を防ごうと、部員たちに衣装変更を提案した。当初「ズボンですか?」「これまでと同じ衣装を着たい」という声もあったが、「応援のために露出は必要ない」とすぐに理解してくれたという。競技チアではなく、応援がメインの活動だったことも後押しした。
盗撮対策で衣装変更 明豊チア部 数年前センバツで被害.
https://mainichi.jp/articles/20210805/k00/00m/040/050000c
コメント一覧