今年10月に八つの那覇市立図書施設の共通システムサーバーがコンピューターウイルス「ランサムウエア」の攻撃を受けた問題で、発生から3カ月が過ぎた今もシステム復旧のめどは立っていない。約19万人分の個人情報の流出は確認されていないが、図書館や図書室ではインターネットで予約や検索ができず、利用者の再登録情報は紙ベースで保管している状態だ。(社会部・城間陽介)
警視庁によると、ランサムウエアは個人情報などのデータを暗号化して使用できない状態にする。データを元に戻すためには、対価として金銭や暗号資産を要求する。
10月13日に起きた図書システムへの攻撃では、メールアドレスと「7日以内にアクセスしなければファイルは戻らない」とのメッセージがあった。市側は県警に被害届を提出したという。
被害を受けたシステムサーバーはレンタルで5年契約。使用できなくても、期限を迎える来年末まで毎月80万円余りを支払わなければならない。復旧できなければ1千万円が無駄になる計算だ。
貸し出し情報などは一般の資料作成ソフトを利用し管理している。これまでサーバー上で管理していた氏名や住所などの利用者情報は、用紙を使って各図書館に保管しているという。
島袋元治中央図書館長は、貸し出し本のコード読み取りなど「作業も2倍に増えた」と困り顔だ。「利用者の皆さんには検索や予約サービスが提供できず不便をおかけしている」。復旧のめどが付かず、別のサーバーシステムの利用を検討しているという。
沖縄タイムス
2022年12月25日 8:18
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1079289
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