東京都立大教授で社会学者の宮台真司さん(63)が昨年11月に男に切りつけられて重傷を負った事件で、警視庁は1日、容疑者とみられる男が死亡していた、と明らかにした。昨年末に自殺したとみられるが、警視庁は捜査の結果、最近になってその事実を把握したという。
捜査1課によると、男は相模原市南区の41歳で、同課は名前を明らかにしていない。昨年12月17日に自宅から約300メートル離れた別宅で首をつっているのを母親が見つけた。遺書があったが、宮台さんの事件に関する記載はなかった。宮台さんは同課に対し、この男について「心当たりはない」と説明したという。
男は両親と3人暮らしで、同課が家族を聴取したところ、宮台さんの事件が公開捜査となった昨年12月12日ごろから男に食事がのどを通らないなどの異変がみられたという。自宅からおのが見つかっており、同課は凶器として使われた可能性があるとみて調べる。
事件は昨年11月29日午後4時17分ごろ、東京都八王子市の都立大南大沢キャンパスで発生。宮台さんは顔や足などを複数回切りつけられたほか、身を守ろうとして両腕にも多数の傷ができるなどの重傷を負った。
同課が周辺の防犯カメラを調べたところ、宮台さんを襲ったとみられる男が自転車を利用していたことが判明。この自転車の所有者をたどったところ、死亡した男の関与が浮上したとしている。男は大柄で、防犯カメラに映った身長180~190センチほどの人物とも矛盾しないという。
同課は昨年12月と先月の2回にわたって防犯カメラに映った男の映像を公開。1日までに約300件の情報が寄せられていたという。
朝日新聞 2023年2月1日 9時51分
https://www.asahi.com/articles/ASR2135NJR21UTIL008.html
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