北海道札幌市の歓楽街・ススキノにあるラブホテルの一室で、全裸の男性の遺体が発見されたのは7月2日。ホテル2階の部屋からは男性の服やスマホなどの所持品が見つからなかったほか、遺体の“頭部”も消えていた――。
男性と一緒にホテルに入ったとみられる“何者か”が頭部を切断し持ち去ったとみられている。北海道警察は殺人事件と断定し、捜査本部を設置。この人物の行方を追っている。
“首狩り殺人”までの足取りが明らかに
亡くなったのは、現場から直線距離にして30kmほど離れた恵庭市に住む会社員の男性(62)。男性の妻が3日夜に行方不明者届を提出しており、自宅にあった指紋などから遺体の身元がこの男性だと特定された。
頭部を切断するというあまりにも猟奇的な犯行。被害者の身に一体なにがあったのだろうか。
その謎を解く鍵となっているのが、ホテルや周囲の防犯カメラの映像だ。これにより、男性が殺害される前の足取りが少しずつ明らかになってきた。内容をまとめるとこうだ。
被害者は1日、特に行き先を告げず、恵庭市の自宅から車で札幌市に向かった。殺害される前の午後4時から10時までの6時間ほど、ホテル近くの会場で開催されていたイベントに参加。
その後、近くの路上で黒っぽい色の大きなスーツケースを持った小柄な人物と落ち合い、その場で立ち話をしたあと、午後10時50分ごろに一緒にホテルに入っている。
防犯カメラに映りこむ“黒っぽい服装”に着替えた人物
翌2日の午前2時過ぎ、部屋からフロントに「1人で先に出ます」と女性のような声で連絡があったという。その後、入室時とは服装を変えた先の人物が1人で退出し、スーツケースを引きながら立ち去っていた。
チェックアウトしないことを不審に感じた従業員が室内を確認し、遺体を発見した。遺体は全裸で、浴室内でうずくまった状態で見つかっており、身体には致命傷となった刺し傷があったほか、死亡後に頭部を刃物のようなもので切断した痕跡があったという。
「防犯カメラの映像で、被害者と小柄な人物が一緒にホテルに入る姿が確認されました。2人とも女性のような服装をしていたことが分かっています。被害者はショートヘアに白いカーディガンのような服、下は黒のロングスカート姿で、白っぽいバッグを持っていました。
一方で被害者と一緒にいた人物は、入室時はつばのある帽子をかぶり、白っぽい服装をしていましたが、退室時には上下黒っぽい服装に着替えており、捜査をかく乱する目的があった可能性もあります」(捜査関係者)
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