「彼は、勉強が得意ではない印象です。小学校の高学年からちょくちょく学校にこなくなって、中学に進学してからもあまり見かけていない。だから友人と呼べる人はほとんどいないんじゃないかな……」──神戸市のマンションのエレベーター内で、片山恵さん(24)を刺殺した谷本将志容疑者(35)の同級生はそう振り返った。
谷本容疑者は調べに対し、片山さんについて「まったく知らない」と供述している。2022年5月に、別の女性に対し一方的に好意を抱き、ストーカー行為の挙句に首を絞めて逮捕・起訴された際も、被害者とは面識がなかった。
見知らぬ女性に一方的に好意を寄せ、接近するという“異常な思考”は、いつ芽生えたのだろうか。
公判の記録などによれば、谷本容疑者は1989年9月、大阪市出身。ある同級生は「小学校2~3年のころに転校してきました」と語るが、小学生からはしばらく大阪府下の別の市で過ごした。両親は離婚しており、父親と生活していた時期が長かったようだ。容疑者と同じ小中学校に通っていた男性が語る。
「理由は分かりませんが、彼は小学4年生のころから不登校気味でした。気づいたら学校にあまりこなくなって、中学2年生くらいにはほとんど姿を見かけなくなりました。
小学校の時は放課後によく宿題やプリントを友達ともっていきましたよ。大人しい感じでしたけど、遊ぶとニコニコして穏やかな男子。ただ成績はかなり悪いほうだったと記憶しています」
他の同級生からは「印象が薄い」との声が多く聞かれた容疑者だが、こんな“趣味”をもっていた。
「周りの男子と同じようにテレビゲームとかも好きでしたが、特にエアガンとかミリタリー系が好きでしたね。ハンドガンなどを何丁もコレクションしていて、よくそれを自慢げに見せてきた。
あるとき、友達と歩いていると近所の公園で谷本が1人でエアガンをバンバン撃ちまくっていた。『学校をサボって何をやっているんだろう』と子どもながらに思いましたね。当時は変わったヤツだなくらいにしか感じていなかったけど、まさか人を殺すなんて……」(同前)
在阪の大手紙社会部記者がいう。
「容疑者が2022年に起こした事件の公判では、当時担当だった神戸地裁の安西二郎裁判長が『住居侵入・傷害事件の翌日に、謝って許してもらいたいと考えて、被害者の心情に思いを致すことなく、被害者方へと赴こうとした経緯からしても、思考の歪みは顕著である。再犯が強く危惧されると言わざるを得ない』と述べています」
「犯行自体は認めていて、反省した様子もあった」(前出・全国紙記者)ことなどから、言い渡されたのは懲役2年6か月、執行猶予5年だった。その後、男は地元を離れ関東へ移住。逮捕時はドライバーとして真面目に働いていたが、執行猶予が明けるまでにまだ2年を残していた。
そして谷本容疑者は「反省」することなく、ついには尊い命を奪った。
亡くなった片山さんの周囲からは悲しみの声が絶えない。大手損害保険会社勤めだった片山さんが担当していた、中古車ディーラーの男性が生前の彼女について明かす。
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