東京・歌舞伎町の路上で客に声をかける売〇行為が急増しており、警視庁が7月、集中的な摘発に乗り出している。新型コロナウイルス禍が落ち着きを見せた昨秋から増加傾向が見られるといい、一帯には見物にやって来る人もいる。警視庁は昨年末や今春にも取り締まりをしたが、「(歯止めをかけるために)継続的な取り締まりが必要と判断した」としている。
歌舞伎町にある都立大久保病院(東京都新宿区)周辺の路上は「立ちんぼスポット」とも呼ばれ、スマートフォンを手にした女性が、男性から声をかけられるのを待っている。
7月15日夕方、路上に立ってスマホをいじる女性に1人の男性が声をかけた。白いワンピースに黒いヒール姿の女性は、手で数字を伝える。2、3分の会話を済ませると2人は連れだって歩き始めた。
2人が向かったのは、少し離れたラブホテル。その入り口で、客だったはずの男性が伝えた一言で女性の足がピタリと止まった。「警察です」。遠巻きに見ていた数人の捜査員が歩み寄り、女性は横付けにされた車両に乗せられた。売春防止法違反(客待ち)容疑での現行犯逮捕だった。警視庁は15日だけで5人の女性を逮捕した。
警視庁保安課によると、売春行為をする女性は20代前半を中心に10~50代。ホストクラブや交際相手にお金を使い、生活苦になって短時間で稼げる路上売春に足を踏み入れた人も多いとみられる。
2021年は1日に10~20人を見掛ける程度だったが、22年秋から増えて今夏は多い日だと60人以上に達する。警視庁はパトロールや啓発活動と併せて、取り締まりを強化。23年1~6月は歌舞伎町だけで27人の女性を売春防止法違反(客待ち)容疑で逮捕した。
7月に入っての逮捕者も15日までで10人以上に上り、コロナ禍前の19年(1年間で53人)を上回るペースだが、「釈放後にまた戻ってしまうケースもあり、いたちごっこが続いている」(保安課)のが実情だ。
22年春からは、逮捕した女性に就労や住居提供に関する支援策を紹介して行政の窓口につなぐ専門相談員を置き、取り締まり以外の対策にも力を入れてきた。
保安課の幹部は「大半は逮捕されるまで、そのリスクを自分の事として捉えていなかった。売春そのものだけでなく、路上で買春客を待つこと自体が違法で、逮捕もあり得る行為だということを知ってほしい」としている。
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