原作者の芦原さんは、行方不明になる3日前に、SNSにドラマ化をめぐる経緯とトラブルを投稿しています。
小学館と再確認しながら書いたという文章の中で、日本テレビのドラマ制作側に2つの条件を提示していた事を明かしました。
1つは、「必ず漫画に忠実に」忠実でない場合はしっかりと加筆修正すること。
2つ目は、終盤はドラマオリジナルパートにすること。原作者があらすじからセリフまで用意するということで、これはドラマオリジナルの部分が、まだ連載中の未完の漫画に影響を及ぼさないためにするもので、場合によっては脚本自体を芦原さんが執筆する可能性もあるとしていたわけなんです。
こうした条件を何度もドラマ制作側に確認していたけれども、守られなかったとして、芦原さんは残念に思っていたようです。
また芦原さんは投稿した文章のなかで脚本をめぐるトラブルの具体的な事例もあげているんです。
まず、あえてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまった。
そして、個性の強い各キャラクターが原作からかけ離れた別人のようなキャラクターに変更されたこと。
さらに、性被害未遂、アフターピル、男性の生きづらさなど、作品の核として大切に描いたシーンが大幅カットや削除されてしまったということです。原作者の芦原さんは、制作スタッフとドラマの内容について一度も直接話をしたことがないとも伝えていました。
木村拓也キャスター:
原作者が脚本を手がける事について、ある元民放のドラマプロデューサーは、「脚本担当が途中で代わることや、原作者が脚本を書くことは異例」ということでした。
ドラマの制作側が気をつけるポイントは、「作品の本質からぶれない」事だということです。
また、原作から変える濃淡については原作者次第で、原作から変えてもいい人もいれば、中には世界観を変えないで欲しいという人など様々いらっしゃる。
今回の「セクシー田中さん」については、多くのテレビ局がドラマ化をしたかった人気作品で、原作者の芦原さんは比較的条件を提示される方と言う印象だということです。
原作者が脚本を執筆するという異例の対応になった今回のドラマ化ですが、一体何があったのか。芦原さんはドラマ終盤で起きたトラブルについても投稿で明らかにしています。
日本テレビから、8話から10話の脚本がまとめて提出されたと。
そしてその脚本は内容が芦原さんのものから大幅に改変されていた。
ベリーダンスの表現も間違ったものがあったと。
そして、原作者が用意したあらすじや台詞をそのまま脚本に落として欲しい、足りない箇所や変更、意見ももちろん伺いますので、脚本として改変した形ではなくて、別途相談してほしい、というような事を返したということです。
それでも、また日本テレビからは大幅に変えられたプロットや脚本が提出されたということです。小学館が「当初の約束通りに」と日本テレビに連絡し、これが数回繰り返されたと芦原さんは聞いていたということです。それがなかなか変わらないまま4週間が過ぎまして、時間的にも限界を感じた芦原さんが、9話10話、ラスト2話の脚本を担当することにしたと。芦原さんが投稿した文章にはこのように書かれていたのです。
宮司愛海キャスター:
そして芦原さんは投稿の中で自ら担当した9話10話の脚本についてこのように綴っています。
「何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかったのですが…素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので私の力不足が露呈する形となり反省しきりです」
原作者とドラマ制作側で一体何があったのか?あるフリーのプロデューサーに取材しますと、あくまで日本テレビ側から聞いた話として、
「日本テレビは芦原先生の意向を小学館側から正確に伝えられていないようだ」
「原作を変えてほしくないことを脚本家も聞いていなかったようで気の毒」
などと話していました。
一方小学館側ですが、芦原さんがブログやXで投稿した条件や意向が日本テレビ側に伝わっていなかったという情報があるという点について確認したところ、「広報室として出したコメントとHPに出したコメント以上のことは答えることができない」という回答でした。(抜粋)
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