福岡県北部・宮若市の犬鳴川で21日、小学6年の女子児童3人が遊泳中におぼれ3人が死亡した水難事故を受け、学校が午後5時から会見を開いた。校長は「4人が川の深みにはまった。1人は友人たちでなんとか引き上げたが、3人が流されてしまった」と当時の状況を説明した。
女児たちが通う宮若西小学校(福岡県宮若市)の日高暢裕校長は「きょうから夏休みで、6年生の6人で集まって勉強したようだ。昼食をとった後に『川に行こう』となり女子児童7人、男子児童1人の計8人で近くの川に向かった。最初は浅いところで遊んでいたものの、4人が川の深みにはまってしまった。1人は近くにいた友達がなんとか引き上げたが、3人はそのまま流されてしまった。3人の姿が見えなくなったところで、1人が携帯電話で110番した」と当時の状況を説明した。
警察によると、午後1時前に「友達が川から上がってこない」と小学生の声で110番通報があった。消防隊が急行し、約30分後に水深2.5メートルから3メートルの川に沈んでいた2人を発見し救出。残る1人も7分後に川底から救出した。3人はいずれも小学6年の女子児童(11)。近隣の病院に運ばれたものの死亡が確認された。死亡した3人のうち1人は宮若市の中村優杏さん(11)。ほかの2人は警察が身元の確認を進めている。
日高校長は会見で涙ぐみながら「きのう終業式で、元気な姿で送り出したところだった」と肩を落とした。また「校区にはたくさんの川がある。終業式でも川には近寄らないようにと呼びかけていたが、注意喚起が十分ではなかった」と声を震わせた。
近所の住民は「この春に河川敷が整備されてきれいになったばかりで、子供たちが来て遊ぶようになった。川は一気に深くなっている部分がある」と心配そうに話していた。「遊ぶような場所ではない」と話す住民もいた。警察と消防が詳しいいきさつを捜査している。宮若市教育委員会は、3人が犠牲となる痛ましい水難事故を受けて、改めてすべての学校に注意喚起を行うことにしている。
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