NHKの稲葉延雄会長が27日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、創業者ジャニー喜多川氏（19年死去）の性加害問題に揺れるジャニーズ事務所所属タレントへの新規の出演依頼を当面行わないと述べた。大みそかの「NHK紅白歌合戦」の起用も現時点ではゼロになるという。ジャニーズタレントが紅白に1組も出場しないとなれば、1979年（昭54）以来実に44年ぶりとなる。
ジャニーズと紅白の歴史は古く、65年に初出場を果たした事務所初のグループ初代「ジャニーズ」を皮切りに、多くのアーティストがステージに立ってきた。80年代は田原俊彦や近藤真彦らソロで活躍するタレントが連続出場し、少年隊や光GENJIらグループアイドルも登場。90年代後半からはSMAPとTOKIOら2組ほどの出場が続いたが、近年は5～7組に増加していた。
昨年もKinKi Kids、関ジャニ∞、King＆Prince、Snow Man、SixTONES、なにわ男子の6組が出場した。ジャニーズが1組も出場しないとなれば、79年の第30回以来となる。
会見で稲葉会長は「被害者への補償や再発防止の取り組みが着実に実施されていることが確認されるまでは、新規の出演依頼は当面行わない」と説明した。「再発防止に向けてきちんとした対応が取られているか見ていきたい」と述べ、来月2日の同事務所の新体制などの発表を注視するとした。
ジャニーズの紅白出場アーティストがゼロになるのかと確認され、山名啓雄メディア総局長は「新規の出演依頼をしないことが解除されないと、現時点ではそういうことになります」と答えた。
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