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ロシア財務省は、外貨建て国債の利払いなどを今後、自国通貨ルーブルで行うと発表し、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)が確定的となった。
西側の制裁を受けているロシア経済が孤立を深め、カネやモノの調達が一段と難しくなる。
プーチン大統領はウクライナ侵攻で長期戦の構えだが、戦争継続が困難となる場面もありそうだ。
ロシア国債は6月23日にドル建て国債2本の約2億3500万ドル(約298億円)、24日にドル建ての約1億5900万ドル(約202億円)の利払い期限を迎える。
期限内に利払いできなかった場合や、契約以外の通貨で支払った場合、15~30日間の猶予期間後にデフォルト認定される可能性が高い。
年内に利払いなどの支払期限を迎えるロシアの外貨建て国債の支払いは計約20億ドル(約2540億円)にのぼる。
米国や欧州連合(EU)はロシア中央銀行の海外資産を凍結し、ロシアの銀行との取引を制限している。
さらに米財務省はロシア国債の利払いを米国人が受け取れる特例措置を終了させ、ロシアは外貨での支払いが難しくなった。
デフォルトとなってもロシア国債を購入している海外投資家は少なく、直接の影響は限定的とみられるが、ロシアの国内経済への打撃は大きい。
最大の懸念が資金不足だ。デフォルトによって、国債による海外からの資金調達は当面不可能になる。
稼ぎ頭の石油輸出も4月以降、制裁の影響で急ブレーキがかかっている。
また、ルーブルの暴落を通貨当局が抑え込んだ結果、原油などの輸出で得られる外貨も目減りするという皮肉な結果を招いている。
モノの調達も深刻だ。
ロシアは半導体などハイテク部品を輸入に頼っているが、制裁の影響で滞り、英国防省はロシア軍が
「精密誘導兵器の多くを使い果たしている可能性がある」と指摘した。
レモンド米商務長官は今月11日の上院公聴会で
「ウクライナ軍が接収した戦車の装備には冷蔵庫や食洗機から取り出した半導体が使われていた」と報告している。
ウクライナ側には西側が資金や兵器の支援を続けているが、ロシア側はジリ貧の様相だ。
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