中国共産党は、その統治を正当化するために、中国人を貧困から脱却させたと吹聴してきました。
しかし現実は、中国共産党が中国社会と経済全般を厳しく統制することによって、多くの人々が貧困から抜け出せない状況にあります。
最近、エポックタイムズのコラムニストであるアントニオ・グレースフォ氏は、ワシントンに本部を置く世界銀行が設定した中国の現在の所得水準に基づく貧困ラインによれば、人口の40%以上が極度の貧困状態にあり、80%が貧困状態にあると述べています。
グレースフォ氏は、1959年に中国で発生した大飢饉は共産党の統治による人災だと考えています。この飢饉で3000万人以上が死亡したと言われていますが、実際の死者数はもっと多いかもしれません。
中国共産党は統治を維持するために、1978年から改革開放政策を実施し、全国的に市場経済を導入し始めました。それにより、中国の人々はようやく食べていけるようになりましたが、長い間、中国人の生活水準は全体的に非常に低いままでした。
アメリカでは、インフレーションの影響を除いた後の一人当たりGDPは1990年に4,000ドルでしたが、中国は2010年になってようやくその水準に達しました。
国際通貨基金(IMF)のデータによれば、アメリカの一人当たりGDPは現在85,300ドルであるのに対し、中国は13,100ドルに過ぎず、メキシコ、カザフスタン、マレーシアなどの国よりも低い水準で、世界74位です。
中国当局は、貧困線以下で生活しているのは人口の0.04%にすぎないと主張していますが、国際基準と比較すると、中国共産党が設定した貧困ラインは非常に低いのです。
2010年の物価水準に基づいて中国政府が設定した貧困ラインは年間収入2,300元(約5万円)ですが、これは世界銀行が定めた国際貧困ラインの半分にすぎません。
実際、2021年、中国では人口の47%が1日10ドル以下で生活しています。その後、状況は若干改善されましたが、それでも約40%にとどまっています。
この生活費水準には都市部の生活コストも考慮されていますが、都市部の生活コストは明らかに農村部よりも高いのです。
これらの数字から見ると、現在の中国の全体的な豊かさは、1960年のアメリカとほぼ同じです。
当時のアメリカでは1日21.70ドルを貧困ラインと定義していました。この基準に照らすと、中国人の80~90%が貧困層に分類されます。
中国の平均所得は依然として低いですが、都市部と農村部の所得格差は非常に大きく、都市住民の可処分所得は農村住民より80%高く、生活水準も大きく異なっています。
農村部の住民は一般的に家にエアコンがなく、暖房や水洗トイレがない家も多いです。また、農村部では公衆トイレさえも「溝トイレ」が一般的です。
そのため、中国の農村部では貧困人口の割合が都市部よりもはるかに高く、貧困状況は非常に深刻です。多くの極貧家庭は、1日1日を生きるので精一杯です。
例えば、インスタントラーメンは、都市部では大量に食べてはいけない不健康な食べ物として広く認知されていますが、農村部の極貧家庭では子どもが誕生日にしか食べられないごちそうとされています。
家計を改善するために、多くの農民が都市部へ出稼ぎに出ています。中国には3億人近い農民工がいると推定されています。
農民工の平均月給は525ドルから722ドルで、全国平均をはるかに下回っています。中国共産党が制定した農民を差別する戸籍制度のため、農民工やその子どもたちは都市部での医療や教育などの公共サービスをほとんど受けられず、年金や健康保険制度の対象外となっています。
また、農民工は経済の低迷で失業しても、公式の失業統計にカウントされません。したがって、中国における実際の失業者と貧困者の数は、当局が発表した数字よりはるかに多いはずです。
高い貧困率を示すもう一つの指標は、年金の金額です。中国の定年退職者の多くは、非常に少ない年金を受け取っています。2020年、中国の年金は平均で月24ドル未満でした。
都市部の年金制度は国有企業や公的機関の退職者を対象としていますが、農村部住民の年金は都市部労働者の数分の一に過ぎず、農民工はまったく受け取れないことさえあります。
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