日本政府が24日、福島第一原発周辺の放射性物質を含む処理水の太平洋への放出を開始しました。これを受け、中国共産党(中共)の関税機関である海関総署は、日本の水産物の輸入全面停止を発表しました。
同時に、中国メディアはこれを利用し、反日感情を煽っています。専門家によれば、中共は国内の対立から人々の注目をそらせようとしているのだといいます。
「北京之春」名誉編集長・胡平氏
「中共による日本からの原発処理水の放水に対する批判が注目されていますが、そこにナショナリズムを煽る要素や反日感情を煽る要素があるのは確かです。ただ、これはもともと科学的な問題であり、日本の原発処理水は処理され、国際原子力機関(IAEA)で検査され、認可されているのですから、有害性はないと言えるでしょう」
連日、中共の公式メディアは福島の原発事故を持ち出して大騒ぎし、日本による被害を肥大して語り、国民の反日感情を煽っています。
中国の亡命法学者・袁紅冰氏
「最近の、インターネット上あるいは現実にある反日デモ行進のようなものは、中共が演出する政治的茶番劇です。すべては、中共が自らの政治目的を達成するために演出している茶番劇なのです」
カナダの華人作家の盛雪氏によれば、中共は福島の件を利用しては民族主義的な感情をあおり、国内紛争に向く焦点をずらそうとしているのです。
中華系カナダ人作家・盛雪氏
「今の中共の置かれている苦境は、単に焦点を移したり、圧力をかけるだけでは解決できません。中共の経済衰退は、止めることができないレベルまで来ているからです。これは現在の中国の失業率が非常に深刻であることも示しており、つまり中共の統治に対する大きなプレッシャーとなっています。中共は今、人々の不満や怒りを日本に向けさせようとしています」
中共のプロパガンダの影響で、地域社会にパニックが広がり、多くの省や市で争いが起きています。
米国在住政治経済アナリスト・秦鵬氏
「憤慨している中国のネットユーザーの大半は、日本の地図を見たことがなく、福島が実は日本の東部にあることを知らないかもしれません。これは何を意味するかというと、日本が放射性物質を含んだ処理水を放出したときに、先に汚染されるのは日本の東側海域で、中国まで流れつきません」
不思議なことに、現在、中国の原子力エネルギーと環境保護の分野で権威のある科学者のほとんどが、公に反対の声を上げていません。中共の公式メディアと一部のセルフメディアだけが、日本の原発処理水の深刻さを誇張し、また、福島の原発処理水は「それほどひどいものではない」というネット上のコメントを必死に削除しています。
盛雪氏
「中国には報道の自由がないため、中国国民が真実の情報を得ることは極めて難しいのが実情です。中共の情報操作により、国民はそれに騙されてしまうため、塩の奪い合いが始まるのです。中国は国民が騙される非常に閉塞的な環境であるため、人々が被害者であるほかに、中共の思惑は最後には必ず自分の首を締めます」
さらに、ある「X」(旧ツイッター)ユーザーは、IAEAが発表したデータにより、1960年から1991年の間に世界中の海に放出された廃棄物に含まれる放射性物質の総含有量は、ソ連だけで全体の65%を占めていることを明かしました。
袁紅冰氏
「当時、チェルノブイリ原子力発電所で起きた事故では、放射能による災害が広範囲で発生しました。しかし中共はソ連の共産党支配の一党独裁体制と政治的同一性を持っていたため、まったく抗議の声を上げませんでした。 しかし今日の日本の福島原発事故については、これほどまでに情報操作などを行っているところをみると、中共が単なる政治マフィアであり、政治権力を持つだけで、善悪や良し悪しの判断はしていないことがよくわかります」
中国の亡命法学者である袁紅冰氏は、中共が長年にわたって設置してきた原子力発電所から放出された処理水があります。この汚染レベルは、今回、日本が放出した処理水よりも、はるかに汚染レベルが高いと指摘されています。
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