中古車販売大手『ビッグモーター』で、わざと車体を傷つける行為が繰り返され、保険金が水増し請求されていた問題をめぐり、不正な行為は板金部門だけでなく、車検などを行う整備部門でも行われていた可能性が、取材で分かってきました。
すり減ったタイヤにドライバーでネジを突き立てる元工場長。押し込むようにドライバーを回し始めると、空気の抜ける音が。自然にパンクしたように見えるやり方を教える様子だといいます。撮影していたのは、整備部門の責任者です。
元整備責任者:「この動画は、保険会社に不正請求をするための写真の撮り方です」
動画は、九州エリアの店舗で働く整備部門の責任者が、2年前に撮影していたもの。自分の身を守るために、映像を残していました。
元整備責任者:「私が現場の人間に言えば、現場は私の指示でやったということになってしまうので。そういう時のためを考えて、動画を撮りました」
動画では、こんなやり取りも。
元工場長:「ここに刺して、ここから写真を撮ったら、溝があるような感じになります」
元整備責任者:「保険会社の方に申請しないといけないので、その申請のための写真を撮る時に、こういう形でパンクしてましたよというのをアングルを指示」
その目的は『@(アット)』と呼ばれる、車1台の工賃と部品の粗利を少しでも上げるためだったといいます。
元整備責任者:「私自身も当時はまひしてたというか、それを止められない状況だったというのを加味しても、ダメだったと思う」
番組が元工場長に話を聞いたところ、「悪質な行為だったと思う。パンクしたら交換するという保証があり、罪悪感がありながらやっていた」と回答。ビッグモーター側は番組の取材に対し「動画があることは把握している。社内調査を実施し、監督官庁への報告もした」としたうえで、「地元警察に相談するなど対応している」といいます。
さらに、一般のユーザーが被害に遭ったケースも。
東北エリアの店舗に整備を依頼した男性:「ちょっと許せなかったので、管轄の警察署に詐欺にならないか相談をしたんですけど」
去年、東北エリアの店舗で買った車が突然、バッテリーの調子が悪くなったといいます。
東北エリアの店舗に整備を依頼した男性:「整備とかオイル交換とか全部、店でやってもらったんですけど『バッテリーを新品に換えれば大丈夫』ということで、1万1000円を払ってやってもらった」
しかし、10分で警告灯が点灯。
東北エリアの店舗に整備を依頼した男性:「近くのガソリンスタンドに見せに行ったんですね。整備士が警告灯見ただけで『この車止まりませんか?』って。バッテリーを見てもらったら『これって新品ですか?』って」
店舗に確認すると、新品に交換していなかったことを認めたといいます。
東北エリアの店舗に整備を依頼した男性:「バッテリーを新品に換えてないということです。納得いかなくて。こんなに迷惑かけて、それはないんじゃないですか」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f1ece6caeaa435e0cd8b4bc4608bc64d0acf134d
コメント一覧