「昔、あったね!」 バブル以前では定番だった装備品5選
いくつ覚えている? 懐かしきクルマの装備品
2020年は新型コロナウイルス感染症により世界中が変化した年でした。また、来年2021年には、元号が2019年5月に「平成」から「令和」に変わって3年目を迎えます。
一方で、現在でも昭和やバブル期は良かったという想い出を持つ人も少なくありません。そうしたなかで、時代や社会の変化と共に無くなってしまった、かつて定番だったクルマの装備品を5つ紹介します。
昔はラジオ局の選局にも一苦労した
●5ボタンが並ぶアナログ選局ラジオ
1980年代から「DINサイズ」と呼ばれた180mm×50mmサイズの規格に沿ったオーディオが増えてきました。
それまでは150mm×50mmのユニットや規格が統一されていないものもあり、なかでも見かけたのがダッシュボードに左右に丸いダイヤルと間にプッシュ式5ボタンのカーラジオが埋め込まれていたクルマです。
当時のカーラジオは、右側の丸いダイヤルが電源とボリューム兼用で、一度押すと電源ON、もう一回押すと電源OFF、右に回せば音量が大きくなり、周囲にあるリングが音質の調整になっていました。
日本でのクルマのラジオ文化は、1970年頃から高級車や上位グレードの車両ではプッシュ式5ボタンラジオでもFM放送が受信可能なものも登場したことで徐々に普及しています。
当時は、首都圏のFM放送局といえば「FM東京」と「NHK-FM」しかなかった時代のためFMはふたつで十分だったと考えられます。
選局方法などは、AMのみの5ボタンラジオと同じでしたが、左側の丸いチューニングダイヤルの周囲にあるリングが左右の音量バランスになっているものが多く存在していました。
●時速105kmを超えると鳴る速度超過警告音
日本で生産されて国内で使用するクルマには、1974年から速度超過警告ブザーが装着されていました。
普通乗用車では車速が約105km/h、軽自動車では約85km/hを超えた際にドライバーに警告するためのものです。
採用初期では、スピードメーターの裏に装着された小型の鉄琴を鳴らす仕組みになっていて「キンコン」と軽やかな音を発するものがほとんどでした。
1980年代後半からは電子音のブザーが鳴る車種も増えましたが、アナログ式のスピードメーター装着車は、ブザーに接続されているケーブルを簡単に外せる車種が多く存在。
メーター周りを分解できる人なら簡単に警告音ブザーを解除することも可能でしたが、1986年に装備の義務付けが廃止されて終焉を迎えました。
●スパイクタイヤ
30年以上前には、冬の定番装備となっていたスパイクタイヤは、1991年以降に特別な状況やクローズドの競技以外での使用は法律で禁止されています。
スパイクタイヤの販売は1985年がピークでしたが、凍結路での走行ができるようにタイヤの接地面に金属製の鋲を打ち込んでいました。
そのため、路面標示の損傷やアスファルトを削って巻き起こす粉塵が地域住民の健康に悪影響を与えると判断されました。
その結果、1990年に「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が発布されます。
凍結路でも氷に鉄のスパイクを履いて歩いているような安心感があったスパイクタイヤも、社会情勢によって存在を継続できなくなりました。
いまでもやっている人はいる? 懐かしき「行為」とは
●バッテリー補充液
昔のカー用品店やホームセンターなどには「バッテリー補充液」が何種類も販売されていました。
バッテリー内の電解液が減った場合は、精製水もしくはバッテリー用補充液を補充する必要があったからです。
その後、バッテリー液の減りが少ないメンテナンスフリーバッテリーが登場すると補充の必要が大幅に減りました。
ただし、メンテンナンスフリーバッテリーでもバッテリー液が減らないことはありません。
車両側の充電装置にトラブルがあればバッテリー液の著しい減少を招きます。
点検窓の確認や光に透かしてバッテリー液の減りがあると感じた場合は、故障している可能性もあるので早めに販売店や修理工場に相談したほうが良いでしょう。
最近は、メンテナンスフリーのバッテリーが増えたため、見る機会の少ない補充液
●エンジンの一発吹かし止め
昔は、エンジンを止める前にアクセルを踏んでエンジン回転数を上げる「ブリッピング(空吹かし)」をするドライバーが多くいました。
その理由のひとつとして、1960年代半ば頃まではキャブレターと呼ばれる機械式の燃料供給装置が主だったことです。
ブリッピングする理由は、次回のエンジンスタートの際に燃焼室にガソリン成分が残っていて始動しやすいようにするためという人もいます。
実際、高出力エンジン搭載車の場合には、大口径のキャブレターを装着されていた車種が多かったといいます。
そのため、クルマを止める直前に低回転で走行していると供給される燃料に対する燃焼のバランスが崩れ、「プラグがカブる(燃料やスラッジによってスパークプラグの着火が悪くなる)」ことを嫌っていたことがその始まりのようです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20201230-00330102-kurumans-bus_all
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