和歌山・首相襲撃 容疑者にヘッドロック漁師「安倍さんの事件頭にあった」
岸田文雄首相の和歌山市での演説会場に筒状のものが投げ込まれて爆発した事件で、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された木村隆二容疑者(24)の行動にいち早く気づき、その場で取り押さえた地元漁師の男性(54)が16日、和歌山市内で会見を開き、「犯人がものを投げた後、まだ何かを持つしぐさがあったので、『これはいけない』と制止した」と当時の状況を振り返った。
男性は事件当日の15日午前11時半ごろ、岸田首相が演説台の方に向かうのに合わせて、会場の前方へ移動した。
聴衆の間を進んでいるとき、男性の斜め前で木村容疑者が何かを投げるのを目撃した。「さらにまだ手に何かを持っていたので、とっさに動いた。無我夢中で飛びかかった」と話す。
木村容疑者は投げ込んだ筒状の物体以外にも、もう一つ同様のものを所持していたとされる。男性はすぐに木村容疑者に近づき、頭に腕を回して押さえ込むプロレス技のヘッドロックをかけた。「とにかく手に持っているものを振り払おうとした。ヘッドロックをしながら、右手でものを払った記憶がある」
昨年7月には選挙の応援演説中に安倍晋三元首相が銃撃され、殺害される事件があった。実は男性によれば、岸田首相が会場入りする前に、その場にいた漁師仲間と安倍氏の事件が話題に上ったという。「安倍さんの事件も(頭に)あったので、あの場でものを投げる行為は変だなと思った。直感的に動いていた」
事件後、当時の状況について所轄署で説明していると、岸田首相からお礼の電話があったという。「今日のこと、本当にありがとうございました」と声をかけられ、「総理もけが人もなくて良かったですね」と応じた。(※実際は警察官1人が負傷)
木村容疑者は終始無言だった。「何も話さない。爆発したときでさえも」。抵抗もあまりしなかったが、手に持っていたものはなかなか放さなかったという。
https://www.sankei.com/article/20230416-2BIK45SMNBJ7XMGAQ7GU2QJTRI/
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