小室圭さんと眞子さんの結婚、さらには重大な事件・事故など、社会的影響の大きな話題を扱った記事でコメント欄が非表示になるケースもあるYahoo!ニュース。
運営するヤフー株式会社が21日に公表した、『Yahoo!ニュース』の記事に投稿されたユーザーコメントの削除件数やその方法などをまとめた「メディア透明性レポート」によれば、独自のAIによる判定や、約70人・24時間体制で行っているパトロールにより、約1050万件の投稿のうち、35万件が削除されている(2021年3月度の実績)という。
コメント欄そのものの非表示も
さらに翌22日には「コメント欄をより健全化するためユーザーからの違反コメント報告を促進」するとして、「違反コメント投稿を繰り返すユーザーに掲出する投稿時注意メッセージも変更し法的リスクを明示するなど、より強い表現で警告」していくことも明らかにしており、投稿時に注意を促すメッセージの改善や、違反コメントが報告しやすくするUI変更を実施している。
ITジャーナリストの三上洋氏は「削除率3%というのは予想より少ないが、6月に発表されたデータでは、1日に6~7%くらいは削除された日もあるようなので、その日に配信されてきた話題によって、削除されるべきコメントの増減があるということだと思う。
基準についても恣意的ではないかという意見があるが、Yahoo!ニュースは金儲けではなく、ニュースに対して様々な見方を提示するためにやっていると主張していて、実際、専用のAIを開発し、70人ものパトロールで雇っているのを見ると、コメントページからの広告収入では、おそらくペイできない。その意味では、Yahoo!ニュースとしては本気なのだろう」と話す。
その上で三上氏は、「ただ、結果としては未だに無法地帯のような状態になっているのも事実だ。表示されるコメントはアルゴリズムで並べ替えられているが、基準になっているのは“いいね”の数だ。ただ、両論併記のもの、建設的なものよりも、感情的なコメントや一方的な意見のコメントの方が“いいね”が付きやすい。そうなると同じような考えの人たちばかりで固まり、さらに意見が補強されてしまう」と懸念を示した。
モデルで商品プロデューサーの益若つばさも、「我々のような仕事をしていると、ヤフコメは昔から“地獄のコメント欄”と呼ばれ、“見るもんじゃない”、という扱いをされてきた。削除をしているとはいえ、それほど治安が良くなっているというイメージもない。投稿を繰り返したり、アカウントを停止されてもまた取得したりするユーザーもいると思う。アクセス数に応じた広告収入のモデルがあるから、閉鎖できないのだろうが、そもそも必要なのかなとも思う」と厳しい見方を示す。
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