国立社会保障・人口問題研究所は22日、2050年までの地域別将来推計人口を公表した。50年の人口は、20年に比べ東京都を除く全道府県で減少し、秋田県など11県では3割超少なくなると予測されている。地方の高齢化も深刻で、25道県で高齢者(65歳以上)の人口が4割を超える。
推計は5年ごとに公表され、今回は20年の国勢調査を基にしている。
50年の人口は、秋田、青森両県で20年と比べ4割前後に上る減少率となった。岩手、高知、長崎、山形、徳島、福島、和歌山、山口、新潟の各県で3割以上少なくなる。一方、東京は新型コロナウイルスの流行下で一時的に冷え込んだ都心への転入超過数の回復や、外国人の増加の影響が大きいと見込んだことで、唯一20年を上回る。ただ、出生率の低迷などを背景に、東京でも40年以降に人口減少に転じるとされた。
また、4月に公表された全国推計では平均寿命の伸びと外国人の増加で人口減少ペースは鈍化したが、45年時点の人口が前回(18年)の地域別推計を上回ったのは25都道府県にとどまり、地域差が見られた。
全国推計で、43年にピークを迎えるとされた高齢者の人口は、東京と愛知、沖縄両県で50年まで増え続ける一方、26道県では20年を下回ると推計された。人口に占める割合は、2人に1人近くが高齢者となる秋田、青森をはじめ25道県で4割超に上る。最も低い東京は3割弱で、地方との差が鮮明になった。
市区町村別では、福島県内の13市町村を「浜通り地域」として推計。50年の人口は、1728自治体のうち95・5%(1651自治体)が20年と比べて減少。うち、半数未満になるのも19・7%(341自治体)に上った。高齢者の割合が50%以上となるのは、20年の3・4%(59自治体)から32・2%(557自治体)に激増する。0~14歳の人口は99%(1711自治体)で20年を下回る。
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