新型コロナウイルスの特効薬と言われるイベルメクチンですが、そのエビデンスは完全に否定され、使用が承認されたら最も大きな利権が手に入るイベルメクチンを製造販売しているMSD製薬ですら効果がないと言っているあり様です。
そして、世界で最初にイベルメクチンが新型コロナに効くと主張する論文を出したサパン・デサイーは現在逃亡中で行方不明です。根拠となるデータは100%捏造でイベルメクチンで治った患者は一人も実在しませんでした。
なぜこうなったのか見てみると2020年4月にアメリカのシカゴにあるデータ分析会社「サージスフィア」がイベルメクチンがCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の死亡率を低下させたことを示唆するデータを出しました。
それを元に「マンディープ・R・メーラ」、「アミット・パテル」、「サパン・デサイー」の三人の医学者が論文を書いて高名な医学雑誌である『ランセット』と『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に出しました。
この時はサージスフィア社が世界1200の医療機関と協力して2億4000万人の匿名化された世界最大級の患者データを持っていると主張していました。
そこから約10万人の新型コロナ患者の医療情報のビッグデータを、世界中の約700の病院の電子カルテから集め、統計学的な解析を行ったと主張しました。
医療情報の電子化が進み、国際的なプラットフォーム作りも進められている中で如何にもありそうな流行りの設定ですが、普通に考えたら創業されて12年目の零細企業としては協力機関の数でも患者数でも異常に大きい数字です。
当たり前ですが、電子カルテの患者のデータには守秘義務があるので得体のしれない企業に提供されることはありません。
この会社は2008年にインド系アメリカ人のサパン・デサイーが研修医時代に創業した医学生向けの医学書を売る会社で、何冊か本を出していたのですが、アマゾンレビューを捏造していたりして見事に売れませんでした。
このイベルメクチンの論文が世界中から注目されるまで何の実績もない無名の会社でしたが、論文を見たブラジルやチリなどの南米諸国は何の確認も行わずにイベルメクチンの使用を許可して配り始めました。
続いてアフリカ諸国でも認可されるようになり、急速にイベルメクチンの使用が広まりました。
その後、サージスフィア社は3大陸169件の病院でイベルメクチンで治療された704人の患者のデータを出してきて、イベルメクチンは人工呼吸器の必要性を65%削減し、死亡率を83%削減したと発表しました。
これが今でも日本でイベルメクチンが特効薬だと主張されている根拠です。
さて、ここまでの話がすべて事実なら素晴らしかったのですが、イベルメクチンを使い始めた医療機関は治療実績を調べましたが何の効果も見られませんでした。
論文発表後、電子カルテ情報を提供したはずの病院はサージスフィアと何の契約もしていないことが発覚。
このビッグデータは捏造の可能性が濃厚になってしまったので、データがどこの病院から出たのか調べられたのですが、サージスフィア社のデータは全て捏造で、1件の病院も1人の患者も実在しませんでした。
イベルメクチンで新型コロナが治った患者は誰一人として実在しなかったのです。
サージスフィア社はこのデータを各所に売り歩いたため、これを元にした論文がいくつも登場しました。元データが同じところから出たんだから、多少の解釈違いはあっても効くという同じ結果が出るのは明白でした。
捏造だったことが発覚するとサージスフィアのデータを元にした論文は次々と取り下げられ消えていきました。
この捏造論文で謎なのがマンディープ・R・メーラ、アミット・パテル、サパン・デサイーの3人はこの論文以外に共著が無く、経歴にも所属した組織にも関連がありません。
共通点といえば3人ともインド系アメリカ人で、噂ではアミット・パテルとサパン・デサイーは義理の兄弟だと言われ、奥さん同士が姉妹らしく、もしかしたら真の黒幕は謎の姉妹かもしれません。
論文の第一著者であり、三人の中で最も実績とキャリアのある高名なマンディープ・R・メーラはハーバード大学医学部の教授ですが、パーティで知り合って金を貰って名前を貸しただけではないかと言われています、だとしたら迂闊な名義貸しで詐欺師の仲間に転落してしまったことになります。
つまり、この取り下げられた捏造論文は最初から最後まで怪しかったのです。こうして欧米諸国ではイベルメクチンは完全に否定されました。
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