8/25(木) 8:49
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Web東奥
新型コロナウイルス感染者数が高止まりする中、発熱外来を開設する青森県内の医療機関では、症状を訴える患者対応に追われ、通常の外来診療が困難になる事例が目立っている。小児科では新型コロナのほか、夏風邪や手足口病など他の感染症の流行によって検査などに時間がかかり、外来が混乱している。「医療逼迫(ひっぱく)というより医療崩壊」と語る関係者もいる。
弘前市の沢田内科医院は17日、ホームページで「医療崩壊しています」との書き出しで、コロナ診療を行う現場の実情を訴えた。同院には問い合わせの電話が殺到し、駐車場に入れない車が渋滞を引き起こしたこともあったという。市内の他の医院も、医師や職員がコロナ陽性・濃厚接触となり、発熱外来をできなくなるところが出ているという。同院の澤田美彦医師(弘前市医師会長)は「発熱者の診療を優先して何とかやっているが、このままでは職員が倒れてしまう」と過酷な労働環境を語った。
小児科では夏風邪や手足口病の流行で多忙に拍車がかかっている。藤崎町のせきばクリニックにも発熱症状を訴える子どもが多く受診している。受診者には新型コロナのほか、手足口病、ヘルパンギーナ、RSウイルスなどの感染症の子どもも含まれる。
関場慶博院長は「全員にコロナ検査をするわけにもいかず、夏風邪と思って普通に診療しようとするとコロナ患者だったりで、外来は混乱している」と説明。コロナで熱性けいれんが長引く患者を救急搬送する場合、小児のコロナ患者を引き受ける病院が少なく、困ることがあるという。
同院長は「発熱患者を診療している全ての医療機関が疲弊している。アップアップの状態。治療が必要な患者を受け入れられないのであれば、医療逼迫どころか医療崩壊と言えるだろう」と述べた。
青森市のこたにこどもクリニックでは、午前中は主に発熱検査外来として診療し、1日20人前後診察する。午後は一般診療と発熱外来をスペースと時間帯を分けて診療している。普段から混雑しているが、コロナ以外の感染症流行でさらに業務が逼迫しているという。
発熱外来で子どもは泣いたり、あばれたりするので、飛沫(ひまつ)を浴びるリスクが大人に比べ高い。県内の他のクリニックではスタッフが感染し、休診するところもある。小谷健児院長は「(休診は)人ごとではないと思っているが、誰かが診療をしなければならない。スタッフは使命感で何とか業務を行っている」と話した。
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