18日に35歳で急逝した神田沙也加さんが出演中だったミュージカル「マイ・フェア・レディ」の共演者で俳優の前山剛久(30)が22日、沙也加さんと真剣交際していたことを明かし、追悼するコメントを所属事務所を通じて発表した。結婚の準備も進んでいたという。所属事務所によると、前山は強い精神的ショックを受けて憔悴(しょうすい)しており、医師の指導も受けながらサポートしていくとしている。
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沙也加さんの父で俳優神田正輝(71)と母で歌手松田聖子(59)が密葬後に会見を行った21日から一夜明け、今度は前山が真剣交際を告白した。「このたび、神田沙也加さんのご訃報に接し、心から哀悼の意を表します」と切り出すと「私、前山剛久は神田沙也加さんと真剣なお付き合いをしており、将来を見据えたお話もさせていただいておりました」とつづった。関係者によると結婚へ着々と「前に進んでいた」という。
2人は8~9月上演のミュージカル「王家の紋章」で初共演。11月開演の「マイ・フェア・レディ」ですぐ再会し、10月ごろ交際を開始した。前山は「女優としても、人としても、大変尊敬する存在でした。ただ今は、神田沙也加さんが天国でも、あのすてきな笑顔のままいてくれる事を願い、心よりご冥福をお祈りいたします」とメッセージを送った。
所属事務所は前山について「突然の悲報に多大なるショックを受け、憔悴(しょうすい)しきっている状況」と説明。舞台降板を謝罪し、今後の成功を願った上で「医師の指導のもと前山のメンタルのサポートをして参ります」とした。関係者によると、沙也加さんが亡くなってすぐ、事務所スタッフが前山の滞在する札幌に飛び、ともに帰京。現在はスタッフと両親がつきっきりで前山をケアしているという。
前山は11月14日の「マイ・フェア~」初日前会見で、沙也加さんと仲むつまじい様子を見せていた。稽古中、沙也加さん演じるイライザから思わず後ずさりしてしまった際のエピソードを告白。「(演出担当者から)『恋してないのか』って言われて。『いや、恋してます。だって、めっちゃかわいいですもん』って言ったんですよ。そしたら、ほめたのに、なぜかさーやさんにビンタされまして。コロナ禍なのでエアビンタ」と、さりげなく沙也加さんを持ち上げた。沙也加さんも「後ずさられたので拒否されたんだろうと思ったらほめられた。切り返しの早さに私もとまどってしまって…手が出ました、はい(笑い)」と、うれしそうに2人で大笑いしていた。
21日には製作の東宝が25日以降の公演再開とともに、沙也加さんとダブルキャストチームを組んでいた寺脇康文、前山の降板を発表。その際コメントを出したのは沙也加さんと同役の朝夏まなとと、寺脇のみで、前山はコメントしていなかった。
一部では、沙也加さんが滞在していた札幌市内のホテル室内に前山へ向けた手紙があったことや、2人の確執、トラブルも報じられたが、関係者によると2人の間ですでに解決し、結婚に向かっていたという。沙也加さんが心身不調の際には前山が献身的にサポート。役同様、沙也加さんを愛した前山にとって、あまりにつらい最期となった。
▽前山剛久こんな人
「マイ・フェア・レディ」で前山は、沙也加さん扮(ふん)するイライザに一目ぼれする貴族の青年フレディを演じた。花売り娘から令嬢に変身したイライザに出会って、熱に浮かされたように思いをあふれさせ、恋しさのあまりイライザの住む屋敷の前に毎日のように通い、「幸せを感じるよ 君がここにいるから」と名曲「君の住む街角」を情感たっぷりに歌い上げる。ようやく会ったイライザにすげなくされても、いとしい気持ちは変わらない。2人が一緒の場面は少なかったけれど、前山フレディからはイライザへの一方通行の切なく甘い思いが伝わってきた。
前山はミュージカルを中心に活躍する注目の若手俳優で、歌唱力には定評がある。舞台「刀剣乱舞」や音楽劇「銀河鉄道999」などに出演し、今年4月にはミュージカル「ゆびさきと恋々」に主演した。8月の帝劇ミュージカル「王家の紋章」で初共演の時、沙也加さんは現代から古代エジプトにタイムスリップするキャロル役で、前山はキャロルの警護役ウナスなど2役をダブルキャストで演じた。ウナス役では古代エジプトで奔放に動き回るキャロルに寄り添い、しっかり支える包容力ある演技が印象的だった。来年2月は大竹しのぶ主演「ピアフ」に出演が決まっている。
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