東京・羽田空港のC滑走路上で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した死傷事故で、着陸機の接近する滑走路に別の航空機が進入する事態が起きた場合、管制塔のモニター画面で滑走路を黄色く点滅させる支援システムが、同空港にあることがわかった。4滑走路すべてに導入され、事故当日も作動していたという。国の運輸安全委員会や国土交通省は、滑走路の監視状況を詳しく調べる。
国交省が5日、明らかにした。同省によると、同システムは「滑走路占有監視支援機能」と呼ばれる。着陸機が接近しているのに離陸予定機や横断機が滑走路に入った場合、管制官の前にあるモニター画面の一つで滑走路全体が黄色で点滅し、航空機も赤く表示される。音声などによる警告機能はないという。
パイロットが管制官の指示を取り違えて滑走路へ誤進入するトラブルが2007年秋に国内の空港で相次いだことを受け、国交省は08年に導入を決定。羽田、成田、中部、関西、伊丹、福岡、那覇の7空港の全滑走路で運用されている。
システムは衝突事故当日も作動していたが、国交省の担当者は「管制官が自分の目で見て指示する際の補助的な表示であり、常時その画面を凝視することを求められる性質のものではなかった」と説明。
ただ、羽田では6日から専属の担当者を置き、画面を常時確認することにしたという。
今回の事故では、管制官の許可がない状況で滑走路に進入した海保機が、滑走路上で約40秒間待機していたことがわかっている。
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