「私は美咲が絶対に家に戻ってきて笑顔で一緒に生活できると信じていますし、美咲には『必ず見つけるから頑張ってね』と伝えたいです。
美咲はもう小学校中学年です。成長していると思いますが、別人にはならないと思います。面影があって似ているなという子供を見かけたら、情報を頂ければありがたいです」
昨年12月、FRIDAYの取材に対して、小倉とも子さんはそう語っていた。彼女は’19年9月に山梨県道志村のキャンプ場で行方不明になった小倉美咲さん(当時7)の母親だ。
しかし、事件は最悪の結末を迎えてしまった。
5月14日、山梨県警はキャンプ場近くの山中で発見された人骨が、DNA鑑定などの結果、美咲さんのものだと断定した。
見つかったのが生命維持に不可欠な肩甲骨の一部だったことから、美咲さんはすでに亡くなっていると見られる。
行方不明になった当時、現場周辺は16日間にわたって延べ1700人が捜索を行っている。なぜこのとき遺体は見つからなかったのか。
犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。
「私も現場には10回近く訪れていますが、今回遺体が発見された場所には足を踏み入れたことはありませんでした。
現場は急斜面になっていて、捜索隊も『こんな地形のところには行かないだろう』という先入観で見落とした可能性があります。
また、別の場所で亡くなったあと、台風や大雨などで流されてきた可能性もあります」
県警は引き続き事件と事故の両面で調べている。小川氏が続ける。
「どちらかといえば事故の可能性のほうが高いと思います。しかし、一方でいくつかの疑問点がある。
たとえば現場から発見された靴について、警察は『それほど劣化していない』と発表しています。
しかし、2年7ヵ月も山中などで放置されていた靴が劣化しないとは考えにくい。そうなれば、第三者が遺体や遺留品の一部を、発見された場所に捨てにやってきたという可能性もあるとは思います」
真相解明こそが、美咲さんへの最大の弔(とむら)いとなる。
https://friday.kodansha.co.jp/article/244913
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