経費削減の最大の要因は、今月から始まった受信料の1割値下げだ。24~26年度は赤字予算を組まざるを得ず、これまでの内部留保から1220億円を投入して 補填ほてん する。27年度に収支均衡させる予定だが、受信料収入は現在よりも年650億円減る見通しだ。
収支均衡のために1000億円の支出削減が必要で、さらに将来に向けた重点投資分300億円を加えると、現在より1300億円の経費削減をしなければならない。このため、制作費も1割程度減らさざるを得ず、放送局の要である番組にもメスを入れなければならないという。稲葉会長は「番組の質と量は確保する」とするが、継続番組の取捨選択など厳しい判断が求められそうだ。
テレビを持たない人に向けた放送番組のネット配信強化を目指すNHKの戦略にも影響しそうだ。総務省の有識者会議が8月末、地上波番組の配信を放送同等の必須業務とすることを大筋で認め、現在、衛星番組についても議論が進む。
だが、衛星番組は、目玉である大リーグなどスポーツ中継を配信するには高額の権利費用が新たに発生するという。このため、衛星番組の配信はもはやNHK内部で検討されていないのが実情だ。
番組関連では、技術進化による業務効率化、12月の衛星放送の実質的1波削減や26年度のAMの1波削減、さらに、国際放送の配信への一部移行などでも経費は削減される。ほかに営業経費で100億円、設備投資などで500億円、備品購入や出張旅費の抑制などで100億円分を見込む。
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