<いつも腕時計を右手にはめているロシアのウラジーミル・プーチン大統領だが、本人ならあり得ないような行動が撮影された>
「認知症説」や「影武者説」が何度も浮上してきたロシアのウラジーミル・プーチン大統領だが、今度は自分が腕時計をどちらの手にしているのか分からなくなる姿を捉えた映像が公開され、話題になっている。
映像のプーチンは、右手に腕時計をはめているのに、自然に時計を見るような仕草で左手首あたりを見ようとする。プーチンが右手に腕時計を着ける習慣があるのは有名だ。
ウクライナ内務省の顧問アントン・ゲラシチェンコは8月22日、ロシアの戦略的開発評議会に出席したプーチンの映像をX(旧Twitter)に投稿。
「プーチンは右手に腕時計をしているのを忘れている。それとも、あれはプーチンではないのか?」と書いた。
プーチンは、腕時計の時間を確認するような素振りを見せたが、右手ではなく左手を見ている。
プーチンは、自身が右手に腕時計をするのは左利きだからではなく、習慣だと国営メディアに述べている。2008年には、腕時計をはめるのが好きなのだが、左手につけると時計の「王冠」部分がこすれてしまい「痛い」と語っていた。
経済学者でジョージタウン大学非常勤教授のアンダース・オースルンドは、「同時刻に『プーチン』が違う場所に現れたり、動きに明らかな違いがあったりする。そして今度の『プーチン』は、どちらに時計をはめているか分からなくなっている。主要メディアは、プーチンが影武者を1人か2人使っていると指摘すべきときだ」とXに投稿した。
ウクライナ軍事情報総局のアンドリー・ユーソフ報道官は6月、プーチンは特定のイベントで自身の代役を務める影武者を使っていると述べた。
「これは、諜報員による情報収集と、人相学者をはじめとする多くの専門家の評価に基づく事実だ」とユーソフは語っている。
ウクライナ国防省の情報機関トップ、キリロ・ブダノフは昨年8月、公の場に現れたプーチンの耳の形が違って見えたことが何度もあったと指摘している。
ブダノフはウクライナのテレビ局に対し、プーチンの習慣、外見、身長までもが変わったと述べた。
ロシア専門家で英シンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)のシニア・コンサルティング・フェローであるキーア・ジャイルズは3月、プーチンがロシアの占領下にあるウクライナの港湾都市マリウポリを訪問した際、影武者を使った可能性があると本誌に語った。
ジャイルズはプーチンの訪問の目的について、「戦争が成功していると国民に思わせるため」とし、「自分たちが破壊した都市において、ロシアが善であるという考えを国民に植え付けることも含まれる」と指摘した。
さらに、「だからこそ、プーチンやその影武者がマリウポリを訪問する際には、周囲の荒廃した光景ではなく、ロシア国営テレビが何度も報道している新しいアパートで行わなければならなかった」と述べた。
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領府報道官は、プーチンの影武者疑惑について、繰り返し否定している。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102496.php
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